引越は、単なる作業やイベントではありません。
教育環境、通学・送迎の負担、住まいの立地。
それぞれを個別に見れば「我慢できなくはない」問題でも、
重なった瞬間に、生活全体を維持する判断が成り立たなくなります。
私の場合もそうでした。
沖縄での生活がすぐに破綻したわけではありません。
ただ、住まい・教育・仕事・家族の条件を一つずつ検討するほど、
「ここに居続ける」という判断を支えるコストだけが、
確実に積み上がっていきました。
そして最終的に初めて、
それらの判断がすべて「数字」と「支出」として表に出たのが「引越」でした。
つまり引越とは、
生活全体の意思決定が、強制的に精算される局面だと言えます。
そして厄介なのは、
この「判断の精算」が、冷静に整理された形ではなく、
引越業者の見積もりや現場判断、
契約外の追加費用といった形で突然現れることです。
準備不足や確認漏れがあるほど、
その歪みは「想定外の出費」や「トラブル」として表面化します。
この記事では、
引越そのものを美談にするのではなく、
・どこで判断が甘くなりやすいのか
・その結果、どんな費用やトラブルが起きたのか
・それを事前にどう制御できるのか
実際に発生した20万円のトラブルを題材に、
引越を「判断の集約点」として管理する方法を整理します。
引越業者選定:なぜ「3社以上の見積もり」が必須なのか
遠路、特に船便が絡む引越しは、業者によって金額の差が非常に大きくなります。
- 複数見積もりの重要性: 少なくとも3社からは見積もりをとるべきです。遠方の場合は船便使用などもあり特に高額となり、業者による金額差も大きくなります。私の場合は100万円以上も差がありました。この差を知らずに1社目で決めていたらと思うとゾッとします。
- 交渉の武器: 「本日決めてくれたら安くします」という業者の常套句に対しても、他社の見積もりがあれば冷静に交渉を有利に進めることができます。
- 船便の注意点: 搬出から搬入まで数日かかるため、その間の家族の仮住まいや、生活に必須となる「車」が先に到着するような手配も欠かせません。
この100万円もの差を知らずに1社目で決めていたらと思うとゾッとします。後悔しないためにも、まずは今の相場を必ず確認してください。
【警告】エアコン脱着で発生した「追加20万円」の罠
私が最も大きなトラブルに見舞われたのが、エアコンの脱着作業でした。
結論から言うと、現場でいきなり20万円近い追加費用を突きつけられ、さらに作業ミスによってエアコンが故障するという最悪の事態に見舞われました。
このトラブルの全貌と、現在も続く業者との攻防戦については、こちらの実録記事に詳しくまとめています。これから引越しを控えている方は、「他人事」と思わずに必ずチェックしてください。
実録:警告!大手引越業者のエアコン工事で「20万円の追加請求」と「ガス回収不備」を招いた実態 ≫ 詳細はこちら
現場でいきなり跳ね上がる費用
見積もり段階では「取付け状況により数万円高くなる可能性がある」との説明でしたが、実際に取付けの段階になると、追加で20万円近い費用を請求されました。
エアコンの取付けは、配管の長さや高所作業の有無で費用が激変します。私のケースでは、引越業者がエアコン作業をグループ会社に丸投げしており、現場でのトラブルに対して営業担当と連絡が取れなくなるという最悪の展開になりました。
雑な作業による「エアコンの故障」
さらに深刻だったのは、取り外し時の不備です。
- ガス回収(ポンプダウン)の不備
- 接続部キャップの未装着
これらのミスにより、移住先に運んだエアコンが故障していました。
トラブルに巻き込まれた時の対処法
あまりにも不当な請求と作業ミスに対し、私は以下の行動を取りました。
- 高額請求の拒否: その場での作業を断り、他社へ依頼しました。
- 本社への抗議: 連絡の取れない営業担当ではなく、引越業者の本社へ直接相談しました。(現在も係争中)
- 公的機関の活用: 第三者機関として、消費者生活センターへ相談を行いました。
エアコンのような精密な作業は、見積もり時に「どこまでが基本料金か」を徹底的に比較・確認しておくべきです。私は地元の業者を1件ずつ当たる余裕がありませんでしたが、今は一括見積もりサイトで「エアコン脱着の評判」も含めて業者を比較できるので、活用しない手はありません。
大型犬・ペットとの移動は「最善」を優先する
大型犬を連れての長距離移動は、動物にとって大きなストレスです。
- 合流のタイミング: 飼い主と一緒に移動するのではなく、移住先の自宅で受け入れ体制が整ってからペットを合流させるのが理想です。
- ストレスへの配慮: 飛行機などの移動時間を最小限にし、ペットにとっての最善の方法を考えてあげてください。
まとめ:失敗を防ぐためのチェックリスト
私の経験から言える、引越を成功させるポイントは以下の3点です。
- エアコンは分離発注を検討する: 引越業者の「丸投げ」による中間マージンや責任転嫁を防ぐため、専門業者への直接依頼をヒアリングしておく。
- 履行の証明を確認する: ガス回収などが正しく行われたか、作業工程の確認方法を事前に決めておく。
- 車を物資輸送に活用する: 先に到着させる車の中に、移住先ですぐに必要な物資を搭載しておく工夫も有効です。
- 一括見積もりで「相場」を把握する: 1社だけで決めず、引越し侍などの比較サービスを使って、自分の引越し条件の「底値」を必ず確認してください。10分の手間で数万円、私のようなケースなら数十万円浮く可能性があります
補足:家具家電を買換えるか持って行くか
家具家電を持って行くのか買換えるのかの選択については、その買換え金額と持って行ったときの費用(引越業者へヒアリング)、経年劣化具合を考慮に判断した。持って行くことでコンテナやトラックが増えたり、サイズアップしたりしない限りは買換えるよりも安いケースが多かったです。
※このブログでは、各STEP毎に「分解」して書いていますが、
その過程で、
・なぜ移住を選んだのか
・どのような判断の迷いがあったのか
・家族とどうすり合わせたのか
といった部分は、記事では書けておりません。
それらを、時系列でまとめた記録があります。
▶︎ Kindle書籍
『トイレで始めた2500kmの逃避行:パワハラから逃げ、家族で沖縄移住し、そして戻ってきた僕が“正解を選ばなかった人生”を後悔していない理由』

次のSTEP:【精算・出口】
引越を境に、
それまで先送りしてきた判断は、すべて「数字」として確定しました。
重要なのは、
それが正解だったかどうかを裁くことではありません。
確定してしまった結果を、
どうすれば回収できる判断に変えられるのか。
STEP5では、
そのために私が実際に行った「精算」と「出口」の作り方を整理します。
【精算・出口】189万円の諸費用のリカバリーした全手順 ≫ 詳しくはこちら
全体像が分かる ロードマップ
- STEP 1: 【住居・ローン】
最初に積むポイント
→ ダブルローン/売却保証/銀行交渉
→ 実録:「元金据置」交渉
→ 実録:デフォルト寸前の絶望 - STEP 2: 【仕事】
仕事が切れた瞬間、終わる
→ 100社応募から掴んだ転職活動の実態 - STEP 3: 【教育・生活】
判断が効かなくなる生活条件
→ 教育格差/犬・住環境 - STEP 4: 【引越】
判断が一気に「数字」として確定する
→ 20万円トラブル/船便 ←今ココ
→ 実録:引越におけるエアコントラブル
→ 実録:長距離引越の実態 - STEP 5: 【精算・出口】
失敗した判断を、回収する
→ 189万円/個人事業/還付
※ 気になるSTEPから読むこともできます。
最後に:このプロジェクトの出口とは何だったのか
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
この一連のプロジェクトは、
移住が正解だったかどうかを証明するためのものではありません。
また、
支払ったお金を取り戻すこと自体がゴールでもありません。
引越によって確定してしまった支出と判断を、
「失敗」で終わらせず、次の判断につなげる形に戻すこと。
私にとっての出口は、
そのための選択肢を自分の手に取り戻すことでした。
この出口は、
誰にとっても同じ形である必要はありません。
ただ、
判断を止めない形に戻すという考え方だけは、
どんな状況でも使えるはずです。
私がこの考え方に辿り着くまでの経緯と、
実際にどうやって「数字として精算」したのかは、
次の記事でまとめています。
【精算】189万円の諸費用をリカバリーした全手順 ≫ 詳しくはこちら




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